HMA−9500mkU. 75台目修理記録
  2024/10/26.オークションで落札   完成 
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)やプリAMPのアースもも接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません、+−の撚りのあるのも使用出来ません。
    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況
  • オークションで落札品。
  • 出品者の商品説明。
    専門業者にて2年前にメンテナンスして貰ったものです。
    先日、電源を入れ、音楽を聴いていると、突然白い煙が出てきました。
    慌てて電源を切りました。
    その後、電源を短時間入れて音が出るかを確認しました。
    音は出ます。
    しかし、一度は煙が出たアンプです。
    修理やメンテナンスも考えましたがジャンクとして出品する事にしました。
    恐らく電源部の電解コンデンサが破裂・故障したものと考えられます。
    不明な点はご質問下さい。
    写真を良くご覧下さい。
    ノークレーム・ノーリターンでお願い致します。
  • 工房注記
    1.SPケーブルの接続状態が悪く、煙が出したのは、左アンプ基板の左上のSP出力回路発振防止抵抗2本。
    2.ドライブ基板の1/4Wヒューズ入り抵抗が1/2W普通抵抗に交換されている。又高域減衰コンデンサーが交換されている。
    3.入手困難な終段FET(電界効果トランジスター)の保護の為にヒューズ入り抵抗を使用しているのを無視して修理した。


B. 原因
  • RLモジュールTR(トランジスター)劣化。


C. 修理状況
D. 使用部品
  • SP接続リレー                  2個。
    初段FET(電界効果トランジスター)     2個。
    バイアス/バランス半固定VR        6個。
    ヒューズ入り抵抗               30個。
    電解コンデンサー               31個 。
    フイルムコンデンサー             4個。
    RCA端子                    1組2個。
    ファストリカバリー 整流ダイオード( 3A/ 200V)  8本。
    TR(トランジスター)              個。
    整流ダイオード交換       10個。
    電源コード(3.5スケア)   2m(本体からプラグまで約1.2m)。
    3Pプラグ(Panasonic WF−5018)  1個。

E. 調整・測定

F. オーバーホール修理後販売価格=SP接続端子+RCA入力端子選択により、250,000円〜
        入力RCA端子WBT−0210Ag+SP接続端子WBT−0702PL=365,500円。

Y. ユーザー宅の設置状況


S. HITACHI Lo−D HMA−9500mkU の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る。電解コンデンサー交換、30本の1/4ヒューズ抵抗が普通の1/2抵抗に交換されている。
A32. 点検中 左基板下の配線に落ちた半田クズ。修理者の技量に余裕がないと起る。
A33. 点検中 電源トランスの詰め物を見る。左右共焼けは無。
A41. 点検中 電解コンデンサー外観比較、100μ/100V
A42. 点検中 電解コンデンサー外観比較、220μ/100V
A51. 点検中 電源基板の整流ブリッジを「ファストリカバリー 整流ダイオード( 3A/ 200V)と 交換可能。
A61. 点検中 入力RCA端子。
A612. 点検中 入力RCA端子。 WBT−0201に交換可能です。
A613. 点検中 入力RCA端子。 WBT−0210Agに交換可能です。
A614. 点検中 入力RCA端子。 WBT−0210Cuに交換可能です。
A62. 点検中 使用されていたRCA端子。 中心電極は上下で挟む方式。
A63. 点検中 使用されていたRCA端子。 挟み込むタイプなので、接触は2点(2線)のみ。
A64. 点検中 使用されていたRCA端子。 拡大。
A65. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A66. 点検中 WBT製RCA端子 WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A67. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A71. 点検中 R−SP端子
A72. 点検中 R−SP端子。 WBT−0702PL に交換可能です。
A73. 点検中 R−SP端子。 WBT−0702に交換可能です。
A74. 点検中 R−SP端子。 WBT−0705Agに交換可能です。
A75. 点検中 R−SP端子。 WBT−0705Cuに交換可能です。
A76. 点検中 R−SP端子。 WBT−0735に交換可能です、但し既存の取り付け穴が見えます。
A77. 点検中 R−SP端子。 その他 在庫SP接続端子フルテック製品 使用可能です。
A78. 点検中 R−SP端子。 下記も使用可能です。
A79. 点検中 L−SP端子
A81. 点検中 電源コード取り付け。
A82. 点検中 使用する電源コードプラグ(Panasonic WF−5018)。
A83. 点検中 交換する電源コード(3.5スケア)、 PSE合格品なので被服が分厚い!
A84. 点検中 交換する電源コード、 PSE合格品なので被服が分厚い!
A85. 点検中 交換するK色電源コード。 電気的性能や耐候性能は上記灰色と同じです。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理前 下になる放熱器や取っ手の部分を養生する。
C11. 修理前 R側ドライブ基板。電解コンデンサー交換。1/4Wヒューズ入り抵抗が1/2W普通抵抗に交換されている。又高域減衰コンデンサーが交換されている。
C12. 修理後 R側ドライブ基板。
          初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR3個、SP接続リレー交換
          ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー11個、TR(トランジスター)2個交換、モジュール修理交換部品は除く。
C13. 修理前 R側ドライブ基板裏
C14. 修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C15. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C16. 完成R側ドライブ基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
C17. 修理前 R側放熱器裏の埃。修理品なので殆ど無。
C21. 修理前 L側ドライブ基板。電解コンデンサー交換。1/4Wヒューズ入り抵抗が1/2W普通抵抗に交換されている。又高域減衰コンデンサーが交換されている。煙が出したのは左上のSP出力回路発振防止抵抗2本。
C22. 修理後 L側ドライブ基板。
          初段FET(電界効果トランジスター)、バランス/バイアス調整用半固定VR3個、SP接続リレー交換
          ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー11個、TR(トランジスター)2個交換、モジュール修理交換部品は除く。
C23. 修理前 L側ドライブ基板裏
C24. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C25. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。
C26. 完成L側ドライブ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C27. 修理中 L側放熱器裏の埃。修理品なので殆ど無。
C32. 修理前 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C33. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け絶縁マイカー。
        熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C34. 修理後 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C36. 修理前 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C37. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け絶縁マイカー。
          熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコン=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C38. 修理後 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C41. 修理前 RLモジュール。 左右でロットが異なる。
C42. 修理前 RLモジュール裏。
C43. 修理中 RLモジュール裏。 TR(トランジスター)6個交換し、洗浄後軽くラッカーを吹く。
C44. 修理中 専用機でR側モジュール修理・測定・調整中。 
C45. 修理中 専用機でL側モジュール修理・測定・調整中。
C51. 修理前 電源基板。
C52. 修理後 電源基板。 ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード14本、TR(トランジスター)4個交換。 整流ダイオードを新しい「ファストリカバリー 整流ダイオード( 3A/ 200V)と 交換。 輪ゴムは接着材が硬化するまで固定する。
C53. 修理前 電源基板裏
C54. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す。 パスコン足絶縁チューブは2重にする。
C55. 完成電源基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C56. 修理中 絶縁シート。 過大電流による変形跡は少ない。
C61. 修理前 RCA端子
C71. 修理前 入力RCA端子基板
C72. 修理後 入力RCA端子基板。 フイルムコンデンサー2個交換。
C73. 修理前 入力RCA端子基板裏
C74. 修理中 入力RCA端子基板裏 L側もW−SWにする為、基板改造。
C75. 修理(半田補正)後 入力RCA端子基板裏  半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー2個増設。
C76. 完成入力RCA端子裏 洗浄後防湿材を塗る。
C77. 修理前 入力RCA端子基板取付裏
C78. 修理後 入力RCA端子基板取付裏
C81. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。
C82. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解、肝心の接触端子部。
C83. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。端子を洗浄する。肝心の接触端子は綺麗な内側のを使用。
C91. 修理前 R−SP端子
C92. 修理中  R−SP接続端子穴加工前
C93. 修理中  R−SP接続端子穴加工後
C95. 修理前 R−SP端子裏配線
C96. 修理後 R−SP端子裏配線。
              WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
              白く着いているのは湿度が高かった為、接着材の蒸気、やがて消えます。
CA1. 修理前 L−SP端子
CA2. 修理中 L−SP接続端子穴加工前
CA3. 修理中 L−SP接続端子穴加工後
CA5. 修理前 L−SP端子裏配線。
CA6. 修理後 L−SP端子裏配線。
               WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
              白く着いているのは湿度が高かった為、接着材の蒸気、やがて消えます。
CB1. 修理前 電源ケーブル取り付け部。
CB2. 修理中 電源ケーブル取り付け部穴加工前。
                 SP接続端子との距離を取る為に、下右方向へ広げる為、昔ながらのヤスリで削る。
CB3. 修理中 電源ケーブル取り付け部穴加工後
CB4. 修理後 電源ケーブル取り付け部
CB5. 修理中 電源ケーブル端末処理。
CB6. 修理前 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
CB7. 修理中 ラグ端子に電源ケーブル取り付。 端子板に銅線で固定する。
CB8. 修理後 ラグ端子に電源ケーブル取り付。 さらに半田で固定する。
CBA. 修理後 電源ケーブル+コンセント。
CC1. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
CC2. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CC3. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
CC4. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CC5. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
CC6. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CC7. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板
CC8. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CD1. 修理(交換)後 支給品Λコンデンサーに交換する。 
CE1. 交換した部品。
CE2. 交換した部品2。
CE3. 交換した部品、接点が酸化して黒いSP接続リレー。光っている所が通電部分。
CF1. 修理前 下から見る
CF2. 修理後 下から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低なります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00662%歪み。
             L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00677%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00277%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00480%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00213歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00291%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00345%歪み。
             L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00339%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.01389%歪み。
            L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0147%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0100%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0158%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 50kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0662%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0677%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E8. 100kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0688%歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0786%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
               このAMPの特色で、全く落ちない!
E9. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 全体正面から見る。
                     9500mk2-u
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した物です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
 Copyright(C) 2024 Amp Repair Studio All right reserved.