グラント・ラムレイ GL100AM 修理 |
平成14年11月2日持ち込み 12月5日完成 |
- A.修理前の状況
2台のうち1台だけ、電源投入後30分くらいしてアンプが 暖まってくると、小さな「ジリジリ」というノイズがでるように なります。ボリュームを上下してもノイズの音量は変わりません。
- B.原因
1..経年変化+おかしな改造により、各真空管の劣化
2.経年変化により、コンデンサ−の容量抜け
- C.修理状況
終段(KT−88)、スクリン抵抗
終段(KT−88)、ソケット交換
電解コンデンサ−増量交換
フイルムコンデンサ−交換
SP端子交換
RCA入力端子交換
配線手直し、補強
- D.使用部品/1台分
整流ダイオ−ド 8個
フイルムコンデンサ− 4個
タイト製USソケット 2個
SP端子 2個
RCA入力端子 1個
電解コンデンサ− 4個
抵抗 4個
- E.調整・測定
- F.修理費 140,000円/2台 <<通常修理>>
<<但し、真空管は別途支給です>>
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A.修理前の状況
A−1.修理前 前から見る、左=出力トランス、右=電源トランス、この辺りは国内製品と大きく異なるところ |
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A−2.修理前 出力トランスの1次巻き線、2層巻きで2パラ |
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A−3.修理前 出力トランスの2次巻き線、3層巻きで3パラ、1次巻き線を包んでいる=これが高域特性に貢献する |
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A−4.修理前 出力・歪み測定 SP出力=20V=50W 歪み率=1% 400HZ |
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A−5.修理前 出力・歪み測定 SP出力=19V=46W 歪み率=1% 1000HZ |
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A−6.修理前 出力が出ないのは、整流の出口に入れた、 このセメント抵抗(=250Ω)が大きすぎる為
多分KT−88を長持ちさせる為に、大きくしたと見られる=初心者が犯すミス
これでは、下の電圧計の様に、出力を出そうとすると、供給電圧が下がり、出力が出ない
夫(男)が、ここ一番の仕事をするとき、その状態が予見できず、足を引っ張る出来の悪い女房(恋人)と同じ
男なら、坂田三吉の女房「お春」の様な女を持ちたいもんだ、群馬の女は最低!
小生の女房は、群馬県人ではないが、すっかり群馬の女(婆)になっている |
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A−7. 無信号時のプレ−ト電圧 |
50W出力時のプレ−ト電圧 |
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A−8.修理前 熱で劣化しているKT−88のソケット、中は交換するステアタイト(磁器)製 |
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A−9.修理前 支給された「JJ ELECTRONIC製 KT−88」 GOLD−LIONと比較してプレ−ト電極は大きい
しかしカタログ値の100Wを出力するには、プレ−ト電圧=560V、スクリ−ン電圧=553V必要!! |
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C.修理状況
C−1.修理前 交換する、SP端子、入力端子 |
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C−2.修理後 SP端子、入力端子 |
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C−3.修理前 交換する、高圧回路整流ダイオ−ド(ショトキ−ダイオ−ド1000V−3A) |
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C−4.修理後 高圧整流回路 |
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C−5.修理前 交換する、整流ダイオ−ド(1000V−3A)、電解コンデンサ− |
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C−6.修理後 バイアス整流回路 上下の2個は高圧用 |
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C−7.修理前 交換する、結合コンデンサ−、電解コンデンサ− |
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C−8.修理後 AMP基板 |
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C−9.修理前 ア−スラインは使用していない、ここらは、おおらかな英国人気質! |
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C−10.修理後 ア−スラインは全て結合する
又、右側KT−88のヒ−タ−配線を増強する(左のUSソケットに入る空色/黄色の線) |
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C−11.修理前 下から |
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C−12.修理後 下から |
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C-13.交換部品 |
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E.調整・測定
E−1.調整・出力測定 測定時間=夕方7時 |
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E−2.SP出力26V=85W 歪み率=1% 1000HZ |
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E−3.SP出力26V=85W 歪み率=1% 400HZ |
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E−4.無信号時のプレ−ト電圧 |
E−5.85W出力時のプレ−ト電圧 |
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E−6.無信号時の電源電圧。 |
E−7.85W出力時の電源電圧 |
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E−8.完成 上から |
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E−9.再測定 SP出力28V=98W 歪み率=0.5% 1000HZ 測定時間=昼1時 |
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E−10.再測定 SP出力28V=98W 歪み率=0.7% 400HZ 測定時間=昼1時 |
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E−11.再測定 98W出力時の電源電圧
電源電圧の安定は、重要です。
小生の所は、「単相100V30A」契約なので、安定度は最悪です |
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E−12. 12時間エ−ジング中
中にあるのは、Michaellson & Austin TVA−1、低音の力は格が違うようです |
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gl100am0 |
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