Dynaco Mark V. 3台目の修理 
 同時修理Dynaco Mark V. 4台目。 平成26年3月19日持込  6月9日完成
A. 修理前の状況
  • ヒューズを交換しても、直ぐに飛ぶ。
    真空管整流をダイオード整流に変更。
    プリ部への電源端子廃止。
    トランスの唸りは皆無。


B. 原因
  • KT-88 不良。
    各部経年劣化。

C. 修理状況
  • KT−88用USソケット交換。
    6AN8用MT9ピンソケット交換。
    バイアス調整VR交換。
    フイルムコンデンサー交換
    ブロック電解コンデンサー交換。
    整流管をダイオードに交換。
    配線手直し、補強、各種止めネジ増す締め。
    経年劣化による各部ハンダ補正。
    SP接続端子交換。
    KT−88のカソードに保護抵抗挿入


U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる真空管測定
D. 使用部品
  • テフロン製USソケット             2個。
    タイト製MTソケット               1個。
    バイアス調整VR                1個。
    電解コンデンサー                4個。
    フイルムコンデンサー             5個。
    ダイオード                    3本。
    ラグ坂                       2個。
    モールド型SP接続端子            1個。
    ブロック電解コンデンサー(100μ+100μ/500WV) 1本。
    抵抗                        9個。


E. 調整・測定

G. 修理費   52,200円    真空管別途

S. Dynaco Mark V の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 真空管を取り、゙上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A31. 点検中 真空管、左側のKT−88が不良。
A32. 点検中 新品のKT-88−4本(支給品)。 GrooveTubes GT-KT88SV
A33. 点検中 新品のKT-88−4本(支給品)。
A41. 点検中 SP接続端子。
A42. 点検中 SP接続端子。 モールド型に交換可能。
A43. 点検中 SP接続端子裏の配線。
A51. 点検中 入力RCA端子。
A61. 点検中 膨らんできたブロック電解コンデンサー、30μ+20μ+20μ/525WV。
A62. 点検中 シャーシ内部にブロック電解コンデンサーを設置 100μ+100μ/500WV。
A71. 点検中 KT−88用USソケット。 上=テフロン製USソケット、下=ベーク製USソケット。
A81. 点検中 6AN8用MTソケット。 上=タイト製MTソケット、下=ベーク製MTソケット。
A91. 点検中 フイルムコンデンサー。 黒色=既存、黄色=交換する製品。
C. 修理状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 前段6AN8基板。
C12. 修理後 前段6AN8基板。
C13. 完成前段6AN8基板、 洗浄後防湿材を塗る。
C14. 修理前 前段6AN8基板裏。
C15. 修理後 前段6AN8基板裏。
C16. 完成前段6AN8基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 整流管5AR4ソケット付近。
C22. 修理後 整流管5AR4ソケット付近。
C31. 修理前 バイアス電源回路。
C32. 修理中 バイアス電源回路の様に負電源の電解コンデンサーは外筒の絶縁に注意する。
           ビニールテープを巻、さらに収縮チューブを付ける。 
C33. 修理中 バイアス電源回路。 セレン整流器をダイオード整流に変更。配線は絡げる、この後半田付け。
C34. 完成バイアス電源回路。
C41. 修理前 SP接続端子。
C42. 修理(交換)後 SP接続端子。
C43. 修理前 SP接続端子裏配線。
C44. 修理中 SP接続端子裏配線。端子交換。配線は絡げる、この後半田付け。
C45. 完成SP接続端子裏配線。
C51. 修理前 メクラテープ。
C52. 修理後 メクラテープ。アース端子を取り付ける。
C61. 修理中 基板鳩目端子への結線は先を折り返し、接触面積を広げる。
C62. 修理中 KT-88ソケット裏配線。 配線は絡げる、この後半田付け。
                          KT−88のカソードに保護抵抗挿入
C63. 完成KT-88ソケット裏配線。
C71. 交換部品。
C72. 交換部品、 電源ブロック電解コンデンサー。
                上=交換した 100μ×2/500V、下=付いていた 30μ+20μ×3/525V。
C91. 修理前 上から見る。
C92. 修理後 上から見る。
C93. 修理前 真空管付き 上から見る。
C94. 修理後 真空管付き 上から見る。
C95. 修理前 下から見る。
C96. 修理後 下から見る。
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
U1.  付属真空管、左から「KT−88」1、2。  「5AR4」。  「6AN8」。
     真空管ハンドブック(規格表)の、
     「KT−88」相互コンダクタンス=11500μmho
     「6AN8」 三極部 相互コンダクタンス=4500μmho
     「6AN8」 五極部 相互コンダクタンス=7800μmho
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U11. 付属真空管「KT−88」1本目。 Gm測定=7500μmho、Ip=92.5mA。
       測定条件、「Ep=250V、Esg=250VEg1=−14V」。 Bレンジ=15000μmhoレンジでの測定。
U12. 付属真空管「KT−88」2本目。 エミ減でグロー放電する為、測定不可。
U21. 付属真空管「6AN8」 三極部。 Gm測定=4400μmho、Ip=20.4mA。
      測定条件、「Ep=Esg=125V、Eg1=−2V、Ip=15mA」、Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U22. 付属真空管「6AN8」 五極部。 Gm測定=8100μmho、Ip=8.6mA。
      測定条件、「Ep=Esg=125V、Rk=56Ω、Ip=12mA」、Bレンジ=15000μmhoレンジでの測定。
U3.  新品真空管、左から「KT−88」1、2、3,4。
     「KT−88」相互コンダクタンス=11500μmho
     「Ep=250V、Esg=250V、Eg1=−15V、Ip=140mA」(インプレス オーディオ用真空管マニアルより)
U31. 付属真空管「KT−88」1本目。 Gm測定=14000μmho、Ip=137mA。
       測定条件、「Ep=250V、Esg=250VEg1=−14V」。 Bレンジ=15000μmhoレンジでの測定。
U32. 付属真空管「KT−88」2本目。 Gm測定=15000μmho、Ip=137mA。
       測定条件、「Ep=250V、Esg=250VEg1=−14V」。 Bレンジ=15000μmhoレンジでの測定。
E. 測定・調整。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.573%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.535%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.485%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.493%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.500%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.478%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 20kHz入力、SP出力電圧20V=50W出力、 0.423%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E28. 1kHz入力、SP出力電圧6V=4W出力、 0.062%歪み。半導体AMPに負けない!!
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 完成  24時間エージング。
               中は「Dynaco Mark V. 4台目」、右は「Musical Fidelity A−1. 12台目
S. Dynaco Mark V の仕様(マニアル・カタログより)
型式 管球式モノラルパワーアンプ Mark V
出力 60W(定格)
140W(ピーク)
全高調波歪率 0.5%以下(60W、20Hz〜20kHz)
混変調歪率 1%以下(定格出力時)
0.5%以下(50W出力時)
0.05%以下(1W出力時)
周波数特性 6Hz〜60kHz ±0.5dB
16Hz〜25kHz ±0.5dB(最大出力時)
入力感度 1.6V(60W)
SN比 90dB以上(定格出力時)
出力インピーダンス 4Ω、8Ω、16Ω
ダンピングファクター 15
使用真空管 6550(KT-88)=2本
6AN8=1本
GZ-34(5AR4)=1本
消費電力 150W
外形寸法 幅229×高さ190×奥行229mm
重量 13.5kg(1973年カタログ記載)
12.5kg(1974年カタログ記載)
11.5kg(1976年カタログ記載)
価格 完成品= 1957年発売
\48,000(1970年頃)
\56,000(1973年頃)
\87,000(1976年頃)
kit= \71,000(1976年頃)
                       mark3_31l
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